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【第1回】書類の山を減らせ!「一括申請」の基本ルール

こんにちは。

用地買収が進み、いざ登記の依頼(嘱託)!という段になって、こんな悩みを持ったことはありませんか?

「Aさんから、道路用の土地を3筆も買った。これ、嘱託書を3筆分(3枚)作るの? それとも1枚にまとめていいの?」

今回は、複数の登記を一つにまとめていい基準、いわゆる「一括申請」について、すべての根拠となる「条文上のルール」から解説します。

※言葉の注意点:「申請」と「嘱託」

自治体の実務では、登記を依頼することを「嘱託」と呼びますが、多くの書籍では「申請」という言葉が使われます。

不動産登記法第16条第2項により『嘱託についても申請の規定を準用する(=同じルールを使う)』と決まっていますが、この記事では「一括嘱託」という言葉ではなくイメージしやすい「一括申請」という言葉で統一して解説します。皆さんは「嘱託」と読み替えてもOKです。

目次

1. 大原則:不動産1個につき、申請書は1枚

登記の世界には、厳格な大原則があります。

「申請情報は、一の不動産ごとに作成して提供しなければならない」(不動産登記令第4条本文)。

これは、登記官が複雑な処理でミスをしないためのルールです。

しかし、道路用地として10筆の土地を買った時、10枚も申請書を作るのは、私たちにとっても法務局にとっても事務負担が大きすぎます。

そこで、「間違いが起きないような単純なケースなら、まとめてもいいよ」という例外(一括申請)が認められています。

2. 例外:まとめてもいい「4つの条件」

「まとめていいか?」を判断するには、以下の4つのチェックポイントを全てクリアする必要があります。

一つでも「×」があれば、原則通りバラバラに申請しなければなりません。

Noチェック項目内容
管轄は同じか?全て同じ法務局の管轄内にあるか
目的は同じか?全て「所有権移転」か
原因・日付は同じか?全て「〇月〇日 売買」か
-1(客体の複数)当事者は同じか?全て「Aさん → 市」か
④-2(主体の複数・複数登記事項)合理性を考慮する

※④は厳密には③に含まれますが、初心者は分けて考えたほうがミスが減ります。

3. 今回の武器(根拠条文)

上司に「なんでまとめたんだ?」と聞かれたら、この条文を見せてください。

不動産登記令 第4条(申請情報の作成及び提供)

申請情報は、登記の目的及び登記原因に応じ、一の不動産ごとに作成して提供しなければならない。

ただし、同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記の目的並びに登記原因及びその日付が同一であるとき(中略)は、この限りでない。

【第1回のまとめ】

  • 原則は「1不動産1申請」。
  • でも「4つの条件(管轄・目的・原因・当事者(or合理性))」が揃えばまとめてOK。

次回からは、具体的な事例を使って、この「4つの条件」の使い方を見ていきましょう。

まずは一番よくある「Aさんから複数の土地を買う」ケースです。

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