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【サイン証明】「別紙」にするな、事故の元! 署名の証明は「奥書(直接証明)」をもらうべき決定的理由

目次

はじめに:「印鑑」と「サイン」の決定的な違い

「ここを見てくれ! 承諾書のサインと、証明書のサイン、筆跡が微妙に違わないか?」

「確かに……。これ、本当に本人の署名として通していいのかな?」

日本の「印鑑」文化に慣れていると忘れがちですが、「サイン(署名)」は毎回形が変わるものです。

そのため、印鑑証明書と同じ感覚で「証明書を一枚ペラっと添付(間接証明)」しようとすると、登記官を悩ませ、最悪の場合は登記が通らないリスクがあります。

今回は、サイン証明における「間接証明」と「直接証明」の違いと、絶対に選ぶべき方法について解説します。

2つの証明方式:何が違う?

書類が本人の意思で作成されたことを証明する方法には、大きく分けて2つのパターンがあります。

方式内容日本の実務(印鑑)でのイメージ
① 間接証明方式書類とは別葉の「サイン証明書」を添付する。登記承諾書に実印を押し、印鑑証明書を添付する。(いつものやり方)
② 直接証明方式
(奥書証明)
書類そのものに、公証人が「本人がサインしました」と書き込む。登記承諾書の余白に、役所が「この押印は実印ですよ」と証明文を書くようなもの。

結論:迷わず「直接証明(奥書)」を選べ

アメリカ在住の日本人などが、現地の公証人(Notary Public)の認証を受ける場合、どちらが良いか?

答えは、圧倒的に「② 直接証明方式(奥書証明方式)」です。

つまり、登記承諾書や委任状自体を公証人の前へ持っていき、その書類の中に認証文を入れてもらう方法です。

なぜ「間接証明(別紙)」は危険なのか?

印鑑(印影)は、重ね合わせれば1ミリの狂いもなく一致します。

しかし、サインは違います。

  • 登記官の苦悩:登記官は筆跡鑑定のプロではありません。別々の紙にある2つのサインを見比べて「同一人物のものだ」と認定するのは、非常に責任が重く、困難な作業です。
  • 却下のリスク:もしサインが少しでも乱れていて「同一性が確認できない」と判断されれば、添付書類不足として却下される可能性があります。

参考文献による裏付け

専門書や先例でも、明確に「直接証明(奥書)」が推奨されています。

登記研究254号 P54

2個の署名の同一性を登記官が認定することの手数と誤認の可能性とをのぞくため、できれば、委任状にされた署名拇印について、領事が奥書証明したものが添付されることが望ましい。

事例式 民事渉外の実務 P1036

サインの筆跡の照合を行うことは、(中略)大変な困難を伴うと思われます。(中略)そのため、署名した委任状に当該外国官公署が奥書をする方法により証明してもらえば、添付書類として確実に認定されるでしょう。

どうしても「別紙」になる場合は?

現地の公証人の取り扱いで、どうしても登記承諾書とは別の紙(サイン証明書)になってしまうこともあります。

その場合は、以下の対策を講じてください。

  1. 合綴(がってつ)してもらう:登記承諾書とサイン証明書をホチキス等で綴じてもらいます。
  2. 契印(けいいん)をもらう:綴じ目に、公証人のスタンプ(エンボス印やゴム印)を押してもらいます。これにより「この証明書は、この承諾書とセットですよ」ということが物理的に証明されます。

外国の「契印」ってどんなの?

日本のような「割印」文化がない国では、以下のような方法がとられます。

  • エンボス(型押し): 紙に凹凸をつけるスタンプを、ページをまたいで押す。
  • リボンとシール: 穴を開けてリボンを通し、その上にシールを貼ってスタンプを押す。
  • ページの隅にサイン: 全ページにイニシャル等を記入する。

「商業」登記についてではありますが、法務省HPに「契印の方法について」の記載がありますので、そちらも参考にしてください。
外国人・海外居住者の方の商業・法人登記の手続について

まとめ

  • サインは印鑑とは違う。 別々の紙にあると照合が難しい。
  • 「サイン証明書」単体をもらうのは避けよう。
  • 登記承諾書そのものに認証を受ける「直接証明(奥書)」が最強。

海外とのやり取りは、一度ミスをすると修正に数週間かかります。「登記官に余計な判断をさせない(迷わせない)」書類作りこそが、確実な登記への近道です。

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