はじめに:窓口発行とは「コピーの常識」が違う
用地買収の契約時、地権者さんから印鑑証明書を預かりますよね。
後でご本人にお返しするため、法務局には「コピー」を提出し、「原本」は還付してもらう手続き(原本還付請求)をよく行うと思います。
通常(窓口発行)の印鑑証明書なら、「表面」だけコピーすればOKです。
しかし、「コンビニ発行」の印鑑証明書の場合、それだけではアウトなのです。
結論:コンビニ発行分は「裏面」もコピー必須!
コンビニで取得された印鑑証明書を原本還付する場合の鉄則はこれです。
「表面だけでなく、裏面も必ずコピーして提出すること」
なぜなら、コンビニ発行の証明書には、表面と裏面の両方に特殊な「偽造防止措置」が施されているからです。法務局は、その両方が揃って初めて「これは原本の写しである」と認めます。
根拠:平成22年1月29日 法務省民二・民商第240号 通知
【要旨】 コンビニエンスストア等で交付された証明書の原本還付を請求する場合において、その裏面にも偽造防止措置が施されているときは、その裏面のコピーも必要である。
解説:なぜ「裏面」が必要なのか?
コンビニ発行の証明書を手に取ってみてください。
窓口の透かし入りの専用紙とは違い、普通のコピー用紙(A4普通紙)のような紙ですよね?
そのため、高度な偽造防止技術(スクランブル画像や、コピーすると「複写」の文字が浮かぶ技術など)が使われているのですが、その重要な情報の半分が「裏面」に印刷されているのです。
(※裏面にスキャン用の画像情報などが載っています)
法務局としては、「裏面の偽造防止情報も含めて『ひとつの証明書』なのだから、コピーするなら全部写してね」という理屈になります。
実践:コピーのやり方は「片面」か「両面」か?
では、コピーする時に「両面印刷」にするべきか、「片面2枚」にするべきか。
実務上の悩みどころですが、おすすめは「片面印刷 × 2枚」です。
推奨:片面印刷をして「契印」する
【作成手順】
- 1枚目: 印鑑証明書の「表面」をコピー。
- 2枚目: 印鑑証明書の「裏面」をコピー。
- この2枚をホッチキスで留める。
- つなぎ目に、原本証明者の印鑑で「契印(割印)」をする。
【理由】
- 確実性: 両面コピーだと、裏写りするリスクがあります。
- 慣例: 登記実務では、複数枚になる書類は「片面印刷+契印」で一体性を証明するのが基本作法(無難)です。
※もちろん、両面コピーでも「表裏が一体であること」は分かるため、補正にはならないケースが多いですが、法務局によっては嫌がられる可能性もあります。「片面+契印」が最も安全策です。
まとめ:コンビニの紙を見たら「裏」を見ろ!
地権者さんから印鑑証明書を受け取ったら、まずは紙質をチェックしてください。
「あ、これ普通のコピー紙っぽいな(コンビニ発行だな)」と思ったら、すぐに「裏面コピー」のスイッチを入れましょう。
- 窓口発行(透かし紙) → 表面コピーのみでOK。
- コンビニ発行(普通紙) → 裏面コピーも必須!
たったこれだけのことですが、知らないと必ず補正になります。
「コンビニ証明書は裏までが顔!」と覚えておいてくださいね。
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