目次
はじめに:ゴールは「対象の特定」のみ
抵当権抹消登記において、最も重要なミッションは「消すべき権利をピンポイントで指名すること」です。
登記官に「あ、これを消せばいいのね」と迷わせない書き方であれば、表現方法はいくつか認められています。
以下の3パターン、それぞれの特徴と使い所を整理しましょう。
実践:選べる3つのパターン
パターン1:【王道】順位番号で指定する
最も一般的で、皆さんもよく目にする書き方です。対象物件が少なく、順位番号が明確な場合はこれで十分です。
登記の目的 1番抵当権抹消
- メリット: シンプルで分かりやすい。
- デメリット: 複数の土地があり、土地Aでは「1番」、土地Bでは「2番」だった場合、この書き方はできません。
パターン2:【一括】物件ごとに番号を指定する
大量の土地を買収し、まとめて抵当権を抹消する場合などに使います。
「登記の目的」欄では詳細を省き、下の「不動産の表示」欄で個別に指定する方法です。
登記の目的 抵当権抹消(順位番号後記のとおり)
不動産の表示
所 在 ○○市○○町一丁目
地 番 5番
地 積 250・00平方メートル (順位番号 1番)
- メリット: 順位番号がバラバラな複数の不動産を一括で処理できる。
パターン3:【推奨】「受付番号」で完璧に特定する
今回、私が最もおすすめしたいのがこの方法です。
順位番号(1番など)ではなく、その権利が設定された時の「受付年月日・受付番号」を明記して特定します。
登 記 の 目 的 抵当権抹消
原 因 令和6年6月6日解除
抹消すべき登記 平成11年2月11日受付第100号
解説:なぜ「パターン3」が推奨なのか?
「パターン1で十分じゃないですか? わざわざ『抹消すべき登記』なんて書くのは面倒です」
そう思うかもしれません。しかし、これには「審査が早くなるかも?」というメリットがあります。
登記官の「確認作業」を推測してみよう
法務局の登記官が抹消登記を審査する際、手元の登記記録(データ)と嘱託書を照合します。
この時、彼らが最も信頼している識別情報は、「順位番号(1番)」ではなく、「受付年月日・受付番号(平成11年…第100号)」なのです。
順位番号は、あとの登記が消えたり回復したりするとズレることがありますが、受付番号は絶対不変のユニークIDだからです。
- パターン1の場合:登記官は「1番」を探し、念のため内容(債権額や日付)が合っているか確認する作業が入ります。
- パターン3の場合:最初からユニークID(受付番号)が書いてあるので、「あ、第100号ね。はい特定完了」と、確認作業が一瞬で終わります。
まとめ:親切な嘱託書は、審査も早い
- 基本は「パターン1(1番抵当権抹消)」でOK。
- 物件によって番号が違うなら「パターン2(後記のとおり)」。
- 確実かつスムーズに通したいなら「パターン3(受付番号の明記)」
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