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【実務の知恵】不動産番号があれば「所在・地番」は省略できる? 法務局と上司が喜ぶ“正解”はこれだ

目次

はじめに:13桁の数字だけで済ませたい誘惑

「先輩、登記嘱託書の『不動産の表示』欄ですが、登記事項証明書に載っている13桁の不動産番号を書けば、面倒な『所在・地番・地目・地積』は全部省略していいんですよね?」

新人さんからこう聞かれたら、私はこう答えます。

「法律上はYES。でも、仕事としてはNOだね」

法律の知識があるのは素晴らしいことですが、実務では「法律ができること」と「やるべきこと」が違う場面があります。

法律のルール:確かに「省略OK」です

まず、新人さんが見つけた根拠条文を確認しましょう。

根拠:不動産登記令 第6条(申請情報の一部の省略)

【要約】 不動産番号(不動産を識別するために必要な事項)を申請情報の内容としたときは、土地の所在、地番、地目、地積などの記載を省略することができる。

条文通り、ユニークIDである「不動産番号(例:1234567890123)」さえ特定できれば、システム上はどの土地か分かるので、その他の情報は書かなくても登記は通ります。

実務の壁1:上司が決裁印を押せない

では、なぜ省略しない方が良いのか。一つ目の理由は「庁内のチェック体制」の問題です。

あなたが作成した嘱託書は、係長や課長の決裁(チェック)を受けますよね。

もし、不動産の表示欄に「不動産番号:1234567890123」としか書いてなかったら、上司はどう思うでしょうか?

上司の心の声:

「……これ、どこの土地だ? 今回買収するAさんの土地か? それとも隣のBさんの土地か? 数字の羅列だけじゃ、合ってるかどうか判断できないぞ!」

結果、上司はいちいち登記事項証明書を引っ張り出して、13桁の数字を一文字ずつ照合しなければなりません。これでは決裁が遅れるどころか、「不親切な書類を作るな!」と怒られてしまいます。

「土地の所在・地番」は、人間がミスに気づくための重要な情報なのです。

実務の壁2:法務局も「両方書いて」と思っている

二つ目の理由は、「法務局との円滑な連携」です。

私の管轄する法務局の登記官から、以前こんなことを言われました。

「できれば不動産番号と、所在・地番の両方を書いてもらえると助かります」

正式な通達による命令ではありませんが、現場の本音です。理由は以下の通り。

  1. 検索が早い:法務局のシステムでも、不動産番号があれば一発検索できます。
  2. ミス防止(ダブルチェック):万が一、あなたが不動産番号を「1桁打ち間違えた」とします。番号のみの記載だと、全く別の土地に登記がかかってしまう(あるいはエラーになる)危険があります。しかし、「所在・地番」も併記してあれば、登記官が「おや? 番号と地番が食い違っているぞ」と気づき、電話で確認してくれます。

つまり、両方書くことは「最強の安全装置」になるのです。

結論:こう記載するのが「プロの仕事」

省略する手間を惜しまず、以下のように「フルセット」で記載しましょう。

【推奨される記載例】

項目記載内容
不動産番号1234567890123
所   在○○市○○町一丁目
地   番5番2
地   目宅 地
地   積123.45平方メートル

こう書いておけば、

  • 上司: 「うん、あの用地の件だな」と即決裁。
  • 法務局: 「番号があるから検索が楽だ」と即処理。

全方位に対して親切な書類になります。

まとめ

  • 条文上(不登令6条)は、不動産番号のみで省略可能。
  • しかし実務上は、決裁のしやすさとミス防止のために「省略しない」。
  • 「不動産番号」+「所在・地番等」の併記が、最も安全で好まれるスタイル。

「楽をするための条文知識」ではなく、「より安全確実にするための実務対応」を選べるようになれば、あなたも立派な用地担当者です。

コピペの手間は数秒です。その数秒で、信頼と安全を確保しましょう!

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