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【土地開発公社】「理事長」と書くと補正になる? 登記嘱託書における代表者肩書の正解

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はじめに:名刺は「理事長」でも、登記は違う

公社のトップである理事長の印鑑証明書や、法人の登記事項証明書(履歴事項全部証明書)を見たことがありますか?

そこには「理事長」という言葉はどこにも載っていないはずです。

登記実務の鉄則は「法人の登記記録(証明書)通りに書くこと」です。

つまり、いくら偉い人であっても、登記上の肩書が「理事」なら、嘱託書には「理事」と書くのが正解です。

結論:正解は「理事」です

嘱託書の記載例を見てみましょう。

権利者欄も、下の嘱託者欄も、すべて「理事」で統一します。

【正しい記載例】

登記嘱託書

登 記 の 目 的 所有権移転

原    因 令和6年6月6日売買

権  利  者 〇〇市〇〇町○丁目○番地

        くまのみ市土地開発公社

        (会社法人等番号3456-78−901234)

         理 事  瀬白 球磨

義  務  者 (住所)

         南陽 マンタ

(中略)

嘱  託  者 〇〇市〇〇町○丁目○番地

        くまのみ市土地開発公社

         理 事  瀬白 球磨


解説:なぜトップなのに「理事」なのか?

株式会社なら「代表取締役」と書くところですが、なぜ公社は「代表理事」や「理事長」ではないのでしょうか。

その理由は、公社の根拠法である公有地の拡大の推進に関する法律(公拡法)にあります。

公有地の拡大の推進に関する法律 第16条(役員及び職員)

1 土地開発公社に、役員として、理事及び監事を置く。

5 理事は、土地開発公社のすべての事務について、土地開発公社を代表する。(ただし、定款の規定に反することはできない。)

この法律の規定により、公社の理事は(定款で制限しない限り)全員が代表権を持っています。

そのため、法務局の法人登記簿上も、全員が「理事」として登記され、「代表理事」や「理事長」という登記項目自体が存在しないのです。

したがって、不動産登記の嘱託書においても、法人登記簿と一致させるために「理事」と記載します。

疑問:「理事長」と書いたら絶対にダメ?

「でも先輩、法務局の研修資料で『理事長』って書いてあるのを見たことがありますよ?」

鋭いですね。実は、実務上は「理事長」と書いてしまっても、登記官が「ああ、代表権のある理事ね」と読み替えて通してくれるケースが多いようです。

(※会社法人等番号を記載していれば、登記官はシステム上で代表権の有無を確認できるため)

しかし、それはあくまで登記官の温情や「まあいいか」という判断によるものです。

厳密には「嘱託書の記載(理事長)」と「添付情報である法人登記の内容(理事)」が不一致であるため、厳しい登記官なら「訂正印を押してください」と補正を求めてくる可能性はゼロではありません。

まとめ:余計なリスクは負わない

  • 法律上・登記上の正式名称は「理事」。
  • 嘱託書には、登記簿通りに「理事」と書くのが一番安全。
  • 上司には「登記のルールですので」と説明すればOK。

あえて「理事長」と書いて補正のリスクを負うメリットはありません。

「登記は、登記簿の通りに写す」。

この基本動作を徹底していれば、公社案件も怖くありませんよ!

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