登記嘱託書や添付書類を作成するとき、「金壱阡万円」や「壱番弐号」を使うべきか、迷ったことはありませんか?
「公文書だし、やっぱり格好をつけて『壱・弐・参』と書かないと補正になるのでは……?」
そんな心配は無用です。現在は「1・2・3」等のアラビア数字(算用数字)で全く問題ありません。
今回は、なぜ昔は「壱・弐・参」だったのか、そして今はなぜ「1・2・3」で良いのか、その法的根拠を解説します。
結論:アラビア数字(1・2・3)で大丈夫です
結論から言うと、現在の不動産登記実務において、(壱、弐、参、拾など)の使用は義務ではありません。
嘱託書や申請書には、普通にアラビア数字(1、2、3)を使って記載して構いません。
- OK: 金1,000万円、令和6年1月1日、1番2
今の横書きの書式にはアラビア数字の方が読みやすく、一般的です。
理由:法律が変わりました
なぜ「公文書=壱・弐・参」というイメージが定着しているのでしょうか?
それは、昔の法律で義務付けられていたからです。
旧不動産登記法(昔のルール)
明治時代から平成17年の改正前までは、以下のように条文でガチガチに決められていました。
旧不動産登記法 第77条第2項
金銭其他ノ物ノ数量、年月日及ヒ番号ヲ記載スルニハ壱弐参拾ノ字ヲ用ヰルコトヲ要ス
「改ざん防止」が主たる目的でしたが、この条文があったため、ベテラン職員の中には「登記といえば壱弐参拾だろ!」という感覚が残っている方もいるかもしれません。
現行不動産登記規則(今のルール)
しかし、平成17年の法改正でこの規定は撤廃されました。現在は以下のようにシンプルになっています。
不動産登記規則 第45条(申請書等の文字)
申請書(中略)その他の登記に関する書面に記載する文字は、字画を明確にしなければならない。
「壱弐参を使え」という文言が消え、単に「はっきり読める字で書いてね(字画を明確に)」というルールに変わりました。
アラビア数字は当然「字画が明確」ですので、使用して何ら問題ないというわけです。
まとめ:読みやすさ重視でOK
- 昔: 「壱・弐・参」が義務だった(旧法77条)。
- 今: 「1・2・3」でOK(規則45条)。
もちろん、壱弐参拾を使ってはいけないわけではありませんが、画数が多くて書くのが大変ですし、今の横書きスタイルにはアラビア数字の方が馴染みます。
これからは迷わず「1・2・3」でサクサク書類を作ってくださいね。
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